ストーブを入れる!と決めてからやることは、もちろん薪つくりです。
薪は初夏までに原木の玉伐り、夏いっぱいの乾燥を経て、秋口には屋根かけするのが一般的です。そうしてできた薪はこの冬から燃やせます。
雨風にさらして乾燥させている間にすること
は・・・・・薪置き場つくりです。
先ずは、”薪を運んで室内に入りストーブ横まで持っていく” をイメージをしてみましょう。
日当たりのよい場所に薪置き場を作ります。できるだけ玄関や入口に近いところに決めるといいですね。
できれば玄関内にも最低2,3日分、できれば4,5日分の薪を置くスペースがあると便利です。
そして、ストーブ横に2日分くらいの薪を置く場所を確保します。(これには室内用ストッカーなどがありま
す。)
外から運んだばかりの薪は外気温が低いため冷たく、どんなによく乾いているからといっても、ストーブ庫内の温度を下げてしまいます。すぐには燃えてくれません。
一度玄関もしくはお部屋の隅にでもストックしたものを、ストーブ横に常に置くことによって薪本体が室温になります。
それを燃やすと、火つきもよく早くよく燃えて、大きなよい火床がつくれます。
いきなり外から持ってきたものは、どんなに乾燥させたものでも、冷たさでジワッと水分が出て水蒸気状態になります面倒でも二段階くらいを経て燃やすことをおススメします。
このイメージに沿って、本格的な薪置き場を作ります。
最初の年はどんな動きがいいのか定まらないので、移動できる簡易なものがいいです。既成のログラックにひと手間かけるとかなりのモノができます。
注意したいのは、地面から15センチくらいのところから積み上げること、下で常に風が動くようにしておくことです。
軒先に置けるといいのですが、そうでない場合は簡単な屋根がけ、もちろんコンパネや波トタンなどでもいいでしょう。こうした後の薪が横から雨、雪に濡れても表面だけですのですぐに乾き、燃やすには大丈夫です。春から夏に雨風にあてて、木の芯にある水が抜けてあればいいのです。
こんな場面を想定しながら図面を作る、建築相談をするといいですね。
この薪つくりにまつわるお話でこんなご一家があります。
お父さんが薪つくりをする。子供たちは休日に薪運びを手伝います。
ある日、娘さんの夫がやってきて一緒に手伝い始めました。普段は娘婿とお父さんの会話はあまりなかったのですが、薪つくりを手伝いながら自然と話が弾んだそうです。
一緒に汗を流し、笑いながらの光景に、娘さんとお母さんは胸がキュンとして熱いものがこみ上げたそうです。
一緒にお食事をしてもありきたりの会話しかなかったのに、ちょっと気まずい雰囲気もあったのに・・・。それは二人が一つのことを一緒にやっている楽しさが伝わってきた瞬間でした。
娘さんが、共通話題がなかった夫と父の関係を気にしていたことも、お母さんは知りました。「うれしくてお話にきました」と来店してくださったおかあさん。
いいストーブライフを提供できたと、こちらもうれしくなったことでした。
薪ストーブの生活には薪は勿論、その収納も考えなければなりません。
軒下やデッキの上、それでも一冬分を置くとなると、場所も要ります。
自前で作るやり方はいろいろありますが、ここでは当店取扱い商品から。
既製品の「2×4ログラック・スライド」(当店取扱い品・金属部分)で作りました。
設置スペースに合わせてサイズを変えられ、もう一つ手前に並べて奥行きのあるウッドラックも作れます。
先ずは骨組みから 作りたい長さで組み立てる。
上と下に、木材を固定できるようになっています。
特に下の部分は、しっかり固定。
屋根はコンパネで、雪や雨の吹きつけにも大丈夫なように深めにします。
垂木を等間隔で設置、雪の重さに耐えるように。
ルーフィング(防水紙)は2枚貼りです。
これで雨風はしのげます。余裕があれば板を貼りますが、とりあえずは大丈夫。
勿論、透明の波板でもいいのですが、雪の重さに耐えることを考えてやることです。
薪棚は生活するうちに置き場所を変えたくなります。
乾いた薪を運ぶ手順に沿って都合のいい場所に落ち着くまでは移動したくなるのです。そんなことも可能です。奥行きをつけてタップリ収容もできます。
単管パイプをつないで、屋根材はポリカーボネートの波板で作ると、日光が当たり乾きも早くなります。
こちらは木製の薪棚。
屋根材も野地板、防水紙、板張りと丁寧に。
いずれも地面から15センチは開けて風が通るようにします。